SSブログ

論理的思考をしよう [教育]

ワクチンは効くという話があります。だからワクチン接種をしましょう。
これは論理的な思考ではありません。

最近は、音楽以外の話が多いのですが、今回も音楽ではない、論理的思考についてです。
論理的思考は数学の証明の手段であり、同じ思考でも帰納的思考法は、数学では条件が厳しい数学的帰納法でしか使われません。その前に基本知識として言葉の話をします。英語で申し訳ないのですが、中学できちんと習うのでついてきてください。proofとevidenceの違いです。英英辞典には載っていると思いますが、proofは数学と同じで、正しいことがわかる証明のことです。evidenceはそのことが正しいと信じるに相当することを言います。つまり、信じる根拠がevidenceで、正しいことを知る根拠となるものがproofです。信じると知るにある根本的違いは重要です。

帰納法はevidenceになります。つまり、たとえば、ある政党の政治家が嘘をついた、その党の他の政治家も嘘をついた、さらに他の者もとなったら、その政党は嘘つき集団である、と結論できます。これを帰納法と言います。あるいは、この結論を信じてしまうことをパターン思考と言います。パターン思考はパターンを常時使うことです。しかし、現実には必ず例外があります。このことはGeneral Systemという分野では知っておくべき基本ルールです。例外のないルールはない、というルールですが、このルールだけは例外がないのです。帰納法は難しい現実ではよく使われ、パターン思考は面倒臭い論理的思考をしなくて済むので便利で、両方とも方法として間違っているわけではなく、有効に使えます。

論理的思考法はまさにproofそのものです。これはかなり厳密に使います。まず、仮定を置きますが、仮定自体は正しくなくてもいいのですが、論理を進めるには、仮ではあっても正しいとしなくてはなりません。そこから論理関係で正しいもの、を結びつけていきます。数学でいう定理を使うわけです。現実には因果関係なども使います。論理的思考とはこれだけです。

最初に述べたワクチンは効くという話がある、は仮定です。さて、ここでは何を正しいとしているのでしょうか。実はワクチンが効くではありません。それが正しいとするなら、話があるは無くし、ワクチンは効くを仮定にしなくてはなりません。ですから、ここで仮定されている正しいことは、話がある、という部分です。話の内容が正しいかどうかは全く論外のことです。ですから、結論にワクチン接種をするはまったく論理的に関係ないことです。論理的思考ではないのです。帰納的思考法でもありません。どのくらい多くの人がそういう話をしているかがわかっていませんし、むしろワクチンは危険という話もあります。

これで、論理的思考をするということがどういうことかわかると思いますが、言葉で説明すると面倒臭いですが、これに慣れていれば、例にあげた話はその瞬間に、論理的思考ではないとわかるようになるので、普段から論理的思考をし、正しい正しくないを自分なりに判断するようにするといいと思います。

また、論理的思考によって現実を知ることができます。これは大変役に立つことです。アガサ・クリスティのシリーズには、ミスマープルというのがあります。これは外出しないミスマープルが新聞の記事から真犯人を当てるというものです。記事から矛盾に見えること、おかしなことを論理的思考によって解き明かし、嘘なども見抜いてしまうのです。これはフィクションですが、わかりやすくするために、単に例としてあげました。実際に報道される内容には多くの嘘や矛盾がありますが、論理的思考をすれば、誰でもが納得できる真実をつきとめることができるでしょう。また、洗脳などの刷り込みを防ぐこともできます。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース