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指揮者のテクニックについて [偉そうな一言]

ずっと気になっている指揮者のテクニックがあります。それは、指揮者の絶対的な目的であるタクトの示し方なのですが、多くの日本人の指揮者は、両手で振ってタクトを示します。例えば指揮者の右側にいるビオラのメロディであっても、両手で同じタクトを示したりします。はて、両手で一つのタクトを示すことはテクニック的にどうなのだろう。つまり、右手は指揮棒、左は掌のみ、これで同じタクトを示せるのだろうか。さらに、先の例のように、一つのパートに対しても両手で示すことは不要ではないか。

合唱だけでなく、オケでも実はアインザッツは多少幅があっても平気です。全くの同時でなくてもいいのです。ですから、そういう風に考えれば、両手で示し、タクトのポイントに多少の差があっても問題はないことになります。次に、オケ全部に示すときに、左側のバイオリンは違う動きをする左手があっては、右手の指揮棒は見にくいということはあり得ます。こう考えると、両手で振ること自体にはそれなりにメリットがあるのですが、では、指揮棒はいらないのではないか、むしろ指揮棒が優先するという意味になってしまいますから、両手で振っても指揮棒しか見ないことになります。実際ロシアの指揮者などはほとんど左手は表情などを示すだけです。こちらの方が明確な分見やすい、とは言えると思うのですが。また、個人的にいいと思っている指揮者も、やはり両手を使う場合がありますが、それは限定的で意図的であり、通常は指揮棒でタクトを示すのみだったりします。

指揮のテクニックというのは、色々流派とまではいかないのですが、色々なスタイルがありそうです。例えば、日本人学生指揮者の多くは、指揮棒と左手だけでなく、頭や上半身を使ってタクトを示してしまいます。誰もそういうことは教えていないはずで、それはやりすぎだと思いますが、どうも多くの日本人学生の共通の癖のようです。

本来はタクトを示すのは一つの動きに限る、というのがテクニックだとは思います。そのために指揮棒を使うのですから。左手が右手と同じ動きをするのは、合わせるという表現をしっかり指示するためである、と思います。もちろん、頭や上半身が指揮棒と一緒に動くのは、混乱の元ですし、基本的に醜い仕草であるとは思います。バイオリニストが体を動かすのと、指揮者が体を動かすのは全く異なる意味を持っているのです。
タグ:クラシック
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